「栄養」の語源は諸説あるようですが、その1つに中国の医書「脾胃論」の中の「営養」が日本に伝わって「栄養」に転換していったとするものがあります。
「営養」は身体を滋養するという意味のようです。

身体をつくるもの、健康を支えるものとしての「栄養」にどのような成分=栄養素が含まれているのかを知ることは、日々の暮らしの中でも関心の高い事柄ですね。

当センターでは、食品や飲料の成分を科学的に分析する「栄養分析」を行っています。
事業者様からの依頼を受けて、炭水化物や脂質、たんぱく質、ビタミン、無機物などの含有量を、厳格に定められた手順で測定し、食品表示法に基づき加工食品などに義務づけられている栄養成分表示のためのお手伝いをしているのです。
今回は、栄養成分のうち、たんぱく質の分析についてご紹介します。
ケルダール法という化学分析手法で行っています。
一言で言うと、食品の中の窒素量を測定します。
STEP1「分解」
食材をミキサーで細かく砕き(=「試料」を作ります。)、計量した試料をフラスコに入れて濃硫酸を加えて加熱します(加熱作業はドラフト設備の中で行います。)。
試料の液は黒化し泡立ちますが、2時間程度加熱を続けると青色で透明な液になります。
透き通ったターコイズブルーでとてもきれいです。

STEP2「蒸留」
青色に変わった分解後の試料に、水酸化ナトリウムなどの強アルカリと水を加えて水蒸気蒸留させ、イオン化していた窒素(実際はアンモニアイオン)から窒素(実際にはアンモニア)を分離させ、ホウ酸溶液の中に集めます。

STEP3「滴定」
窒素が含まれている溶液に0.05mol//L硫酸標準溶液を少しずつピペットで加えて、溶液が青色から桃色に変われば滴定終了です。
滴定した硫酸標準溶液の量から窒素含量を計算します。
計算式は、

その窒素含量に、食品毎に異なる窒素・たんぱく質換算係数を乗じて、たんぱく質含量(g/100g)を測定します。
いかがでしたか? 化学実験そのものです。
登録検査機関として、こうして正確に測定した栄養成分量を皆様にお示ししています。
是非、信頼性の高いデータが得られる栄養分析を行ってみませんか?
ちょっと固い内容になったので、最後に、花のたよりをお届けします。5月下旬の高千穂峰のミヤマキリシマです。

